Bar de Tomoko ―レストランとは、「教育の場」である―

料飲サービス指導 & 難関中学受験指導 「二刀流」の大竹智子が主宰する『桜梅塾』のブログです

桜梅塾のお話 ~中学受験は、何のためにするのか~

 ここ何回か、ブログ内でのプロフィール公開に関することやイベント授業のことなどを書いてきましたが、今日は! その前=5回前の記事の続きにあたる話です。

 『桜梅塾のお話』と題している記事は、さらにその前=6回前から始まっていて、「私が昨年の秋に、それまで勤めていた大手進学塾を退職してから、個人事業主として塾を主宰するまで」の話です。↓
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 今日は、大手進学塾を退職した後に採用試験を受けた、2社目の塾でのお話です。


 1社目の塾では「あいさつをしない」ことに幻滅して、即刻、採用辞退を申し入れたため、2社目の塾に行くときには、「あいさつや規律、人としての『心』を大切にする塾であってほしい」という、はっきりした期待を持っていました。
 また、「大手」で辛い思い😢🌊をして退職に追い込まれたがゆえに、それよりも人に対して細やかであろう「中堅」を選んで行ったにもかかわらず、期待はずれだった1社目の「教訓」をもとに、視点を少し変えて選んだのが2社目の塾でした。Webの求人広告で、机に向かって行う勉強以外の側面をも大切にしている「個性派」の「やや小規模」の塾であるところに魅力を感じて、応募した塾です。

 まず本社面接、次には校舎で面接して授業見学等々……というのが、この塾の採用試験の過程でした。

 最初の本社面接は、いい感じで終わりました。そして、校舎での面接もつつがなく済み、いよいよ、「大事な現場」であり「1社目でつまずいた」授業見学へと進みました。
 肝心の「あいさつ」は、無事にクリア。授業の始めに、普通にあいさつをしていました。生徒が2人だけの、ごく少人数のクラスでしたが、雰囲気は悪くはありません。
 ……ところが、その後に、予期しなかったことが起こってしまいました😱
 中学受験コースの受験学年、すなわち6年生のクラスだったのですが、問題を解く演習の時間に、一人の生徒が飲み口のついたパックに入ったゼリーを「チューチュー」と吸い始めたのです😨 しかし、講師はいっこうに注意しません。
 そのうち、二人とも演習に飽きてきたのか、姿勢を崩し、一人は椅子の上で正座の格好になってしまいました。それでも、やはり講師は注意しません。

 私は、「姿勢を正せ!」と目をつり上げて怒鳴るタイプの講師ではありませんが、一通りは姿勢に気を付けないと「物事に真剣に取り組むことが叶わない」、とは思っています。

 この、目の前にいる子どもたちは、これでは「物事に真剣に取り組むことの大切さ、素晴らしさ」を知る由もありません。そして何より、これでは集中して学習することができませんから、成績の向上が見込めません。保護者の方が授業料を払い、子どもが貴重な時間を学業に費やしているというのに、元も子もなくなってしまいます。
 それでは「塾」とは言えない、と私は思います。

 仮に、これでも運良く中学入試の「合格」をつかめたとしても、どこに行っても通用する、本当の「勉強の仕方」を身に付けていなければ、選ばれた生徒たちの集まる私立中学に入って、落ちこぼれる可能性は高いと言わざるを得ません。
 中学入試で「合格という名の成功」を手にすることよりも、そこからの中高6年間で充実した日々を重ねることのほうが、はるかに大事に決まっています。

 受験は、合格を目指して最後まで頑張る。そんなことは、当然です。
 とは言え、実際には、中学入試で合格を勝ち取ることよりも、そこに至るまでの厳しい中学受験勉強のなかで「勉強の仕方」を体で覚え、学習能力に磨きをかけることこそが、「中学受験の醍醐味」だと私は考えています。なぜなら、そのように能力を磨くことは、その子の「人としての成長」を促し、一生ものの「宝」をもたらしてくれるからです。

 小学生にして、そのような「勉強の仕方」を身に付けられる子は、間違いなく「成長の早い子」です。小学生のうちにそれだけの能力を備え、人間的にも早く成長している子は、より豊かな感性と吸収力をもって思春期を迎えることができます。
 よって、中高一貫教育が与えてくれる安定した環境を生かせば、落ち着いて幅広く多様な物事に触れ、独自の人生経験を積むことが可能になります。自ら積極的に取り組むことにより、その経験は多角的で深いものにもなっていくでしょう。

 中学受験は、単なる「先走り」や「先回り」の行為ではありません。ましてや、大学受験を最終ゴールと決めつけての、単なる「通過点」でもありません。

 一方で、ゆっくり成長していく子や、学校の「基本の教科」の勉強が得意ではない子には、中学受験を無理強いしないことも非常に大切だと思います。
 そのような、学校の「基本の教科」の勉強が得意でないなら、その分、他の分野での能力を秘めている可能性が十分ありますし、そういう子の秘められた能力が芽吹く可能性を、中学受験で潰してはなりません。

 悲しいことですが、中学受験のために「親子関係が悪くなった」という話は、ときどき聞かれます。何事も、やる以上は、小さくても何らかの幸せを感じられる日々につながっていくことが大切だと思うのです。

★「人はそれぞれ、敬われるべき能力と個性を持っている」……リンクする過去の記事↓
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 つまり、中学受験に向くか向かないかは、その子の個性によります。

 ……2社目の塾で授業見学をしていると、目の前の子どもたちが「何となく」机に向かっているように感じられてしまいました。そして、「本物の中学受験」ではないような気がして、自分の心がそれ以上前には進みませんでした。

 その翌日、この2社目の塾から採用試験合格の連絡をいただいたのですが、丁重にお断りさせていただきました。
 そういう気持ちで働いても、自分が辛くなって続かないし、「他人の人生に直接大きな影響を与える」教育の仕事であるからには、生徒すなわち子どもに「良い影響」を与えられる自信がない限り、教壇に立つには及ばない、と考えたからです。


 かくして2社目の塾も採用辞退して、3社目に向かうのですが……そのお話は、次の機会に書かせていただきます😌